セツさんといっても大正生まれのおばあちゃんじゃないよ。
翌朝家まで迎えに来ていただき、さらにクエールで登るアツシさんと合流し、一路山梨の某エリアに向かった。
図らずして年に一度か二度だけ訪れているこのエリアに、今年もやってまいりました。
ここが有するのは、日本屈指の美しくかっこいい課題「大ハング(二/三段)」。
初めて来たときは、この課題に完全に魅了されるもスタンドスタートの一級すら登れなかった。
二度目はスタンドが登れて、さらにフルラインに対する想いを強くした。
三度目、四度目は、フルラインを繋げようとするも下部に苦戦し登れなかった。これが昨年の話。
そして五度目の今回。
気温は過去に来たときよりも確実に寒く、かじかむリスクに少し不安を感じていた。
ただ、取り付いてみると、寒いだけに花崗岩のフリクションは抜群。
スタンドもサクっと登れた。期待できる。
これまで苦戦し続けた下部も今日は全く問題なくこなせた。
初手から遠め
アップを早々に完了し繋げモードに入った。
もはや下部で落ちることは無く、スタンドの核心ランジで3回ほど落ちた。
長めのレストを入れて4トライ目。
すべてが完璧に進んで核心へ。左足の位置を決めて出たら核心が止まった。
あとはもう落ちる要素は無く、落ち着いてマントルを返して登りきった。
初めてこの岩に出会ってから、想い続けること3年。
やはり見た目、ライン、登っているときの感覚、すべてが完璧だった。
これだからクライミングはやめられない。
このあとセツさんも流石の登りで大ハングを完登し、2人でゆいくんオススメの「赤不動(初/二段)」をトライ。
セツさんのムーブの読みはいつも鋭く、
さらっとムーブを見つけ、2人とも数トライで完登。
ゆいくんオススメだけあってオモロかった!
これで山エリアでやるべきことは終わったかなというところで、下山。
最後にアツシさん悲願の「大ルーフ(三段?)」へ。
実はこの課題に、とても悲しく、かつ強烈な怒りを覚えることが起きていた。
写真では分かりづらいかも知れないが、明らかなチッピング痕。
この課題の核心は、登った人が口を揃えて「マントル」だという。
確かにルーフ部分のホールドはすべてポジティブで、マントルの悪さあってこその三段なのだろうという印象。
そのマントル部分に、5カ所も明らかなチッピング痕があった。
深いところでは1センチ以上掘られ、周辺の岩とはまったく色が異なっていた。
これを見て、過去に抱いた「いつか強くなってこれを登りたい」という想いはどこかへ去って行ってしまった。
この日も一応数トライしたが、このチッピング痕に触れると途端に登る気が無くなって降りてしまった。
こんなにかっこいい岩だけど、
もうこの課題をトライすることはないと思う。
人口壁のクソ課題以下だ。
チッピング、グルーイングは本当にやめてほしい。
すごく嬉しいことと、すごく悲しいことが同時にあった一日だった。
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